LEDディスプレイの基礎知識

LEDビジョン スタジアム スクリーン

都心のビル壁面やコンサート会場・競技場などにある、映像を映し出す超大型モニターで、敷き詰められた発光ダイオード(LED)により発光しているモニターのことを、LEDビジョン・LEDディスプレイと言います。

よく液晶モニター・LCDディスプレイと間違われがちですが、液晶(LCD)は白色LEDなどバックライト光源によるホワイト光が液晶パネルやカラーフィルターによって色付けされて見える状態で、黒い部分はバックライトの白色光を液晶フィルターで遮断した状態になります。例えるなら、背面から白く照らした板の上に、自在に色を変えられるフィルムを重ねたようなイメージです。

LEDビジョンのアップ画像

LEDビジョンのアップ画像

一方、LEDビジョンにはバックライトは無く、面いっぱいに細かく敷き詰められたLEDがカラフルに発光することによって映像となって人の目に映ります。黒い部分はLEDが全く発光していない状態になります。

拡大してみると見るとわかりますが、カラフルと言っても実際に埋め込まれているLEDの色は、RGB(Red/Green/Blue)の3色だけになります。これら光の三原色を混ぜ合わせることで、数億色という色が表現できます。

画像の物は、DIPタイプ(砲弾型LED)になります。超高輝度で昼間の屋外でも抜群の明るさで視認性抜群です。

液晶モニターの10~20倍以上と、桁違いの明るさになります。

LEDビジョン 発光状態

LEDビジョン 発光状態

RGB 光の三原色

RGB 光の三原色

最近ではこの3色のLEDが一つにまとめられた3in1チップ型SMDというタイプのLEDも非常に多く見られます。
近距離からでも色混ざりが良く発色が綺麗なことと、視野角が非常に広く、斜めからでも明るく鮮明に見えることが特徴です。

また一つにまとまったことで一つずつのサイズが小さくなり、さらに細かくできるため、高精細・高解像度化を実現できます。

明るさでは現在のところ従来のDIP(砲弾型LED)の方が明るい傾向にあります。

SMDタイプのLED

SMDタイプのLED

LEDビジョンと液晶モニター 大きな違いは明るさ(輝度)と大きさ

一般的な液晶テレビやPCモニターは、明るさが250~400cd/㎡ですが、屋外用LEDビジョンは5000~10000cd/㎡と、桁違いです。500cd/㎡未満の明るさでは、屋外ではほとんど見えません。

液晶モニターを業務用に改良したものを一般的にデジタルサイネージと呼びます。

長時間稼働の耐久性や明るさのアップ、防塵・防水対策などを施しているため液晶テレビより値段が数倍に上がります。高輝度+防水で屋外に対応したものもありますが、それでも2500cd/㎡程度ですので、そこそこ目立ちますが、LEDビジョンの明るさには程遠い状況です。

液晶・LCD連結イメージ

液晶・LCD連結イメージ

また大きさですが、液晶モニターは1枚物の大きくて薄いガラスを使うため、大型化には限界があります。
複数の液晶を隙間なく並べて大型化する方法もありますが、フレーム(額縁)がどうしても邪魔になります。

その点、ガラスを使わないLEDビジョンは大型化しやすい上に、フレームが全くないユニットが作れるため、ユニットを連結しても継ぎ目の分からない大型ディスプレイの製作が可能になります。

LEDビジョン 連結イメージ

フレームレスタイプのLEDビジョンは縦方向・横方向、自由に連結ができます。
※連結部分は全く分からなくなります。

6台連結イメージ

6台連結イメージ

例) 6台構成

横1280×縦960mmのユニット
横3列×縦2段=計6台構成
横3840×縦1920mm(3.84m×1.92m)

※連絡部分に破線を入れておりますが、実際には連結部分は見えません。

上記以外にも
・縦に3段連結して幅1.2m×高さ約3mの縦長ディスプレイスタイル
・横に4台連結して長さ約5m×高さ約1mの細長い電光掲示板スタイル
など、組合せ自由自在です。